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フランスの「マンガスタイル」?

 『ラストマン』は一見するとマンガスタイルではありませんが、ここ数年、フランスでは、日本のマンガに強い影響を受けた「マンガスタイル」のマンガが立て続けに出てきています。フランスで日本マンガが流行り始めるのが90年代末ですから、子供のころからマンガを読んで育った世代が作家として活躍し始めたということなのでしょう。『ラストマン』の三人もそうですし、昨年日本でも発売されて話題を呼んだ『ラディアン』のトニー・ヴァレントさんもそうですね。
 ヴァレントさんをお呼びして昨年、明治大学でも特別講義をやりましたが、まるで『少年ジャンプ』の連載と言われてもおかしくないような『ラディアン』が、フランス語版も最初から右開きで描かれていたことにはびっくりしました。作者のヴァレントさんが、「子供のころから右開きの日本マンガを読み慣れているし、タテの動きを追うためには左開きより右開きの方がいいからだ」と言われたのも驚きでした。マンガ世代が作家になって、何かが変わり始めているのかもしれません。
 フランスでは他にジュール・ベルヌとコナン・ドイルが(!)書いたことを具現化させる能力でバトルを行うという『シティホール』も代表的なマンガスタイルの作品ですが、この作品は『デスノート』の影響を強く受けているそうです。言われてみれば、ですよね。しかしコナン・ドイルとジュール・ベルヌのバトル対決、見てみたいです!

 『ラディアン』も『シティホール』も、アンカマという出版社から出ていて、この出版社は他にも「マンガスタイル」の作品をいくつか出しています。本の判型はマンガの大きさではありませんが、MANGA風のイラスト・マンガを描くMalikiの作品などもその一つに含めてもいいかもしれません。
 もともとアンカマ社は、日本のマンガの影響を強く受けた若者3人が始めたオンラインゲームの会社で、そのゲームの一つをもとに、取締役の一人が絵を描く勉強をし、一人が原作を書き、『DOFUS』という作品を生み出しました。しかし当時は、マンガっぽい絵なのに描いているのがフランス人だから、という理由でどこも出版してくれるところがなく、それなら、と自分たちで出すことにしたんだそうです。それが2005年9月のことで、最初はあまり売れなかったそうですが、ゲームがヒットするにつれて徐々に売れるようになり、出版1年後の2006年ごろから売れ始めたんだとか。
 その下地があったので、新しいことに挑戦しようと『ラディアン』や『シティホール』といったマンガスタイル作品を出したというわけ。後述する『ドリームランド』や、ユマノイドアソシエ社のShonen(作者名です)の作品の評判が良かったのも背中を押し、かつてと違って今では、「フランス人が描いたマンガでもかまわない」という空気を感じたといいます。
 そうした「マンガスタイル」のマンガの嚆矢の一つが、Pika社で出している『ドリームランド』。2006年から定期的に出版されています。これは最初は、Pika社で出していた雑誌「Shonen」(こちらは雑誌名)の作品募集に応募されてきた作品だそうです。雑誌「Shonen」は、日本の「少年マガジン」をベースにした雑誌でしたが、フランス人作家の作品も載せてみようというのでコンクールを行い、その応募作の一つが『ドリームランド』だったというわけ。なので最初は雑誌に連載されていましたが、残念ながら2002年に創刊された「Shonen」は2007年に休刊。それからは単行本として続けて出していくことになりました。最初の反応はあまりよくなかったそうですが、その後も『ドリームランド』は単行本で着実に巻を重ねていきます。
 この作者はFacebookページを読者コミュニティとして活用していて、フォロワー数が2万5千人。今のフランスにはマンガの雑誌連載はありませんから、ここで作品の進捗状況を知らせたり、イベントの告知をしたり、キャラクターグッズの紹介をしたり。これがモデルになって、フランスのマンガスタイルのマンガでは、「Facebookを読者コミュニティとして活用する」というスタイルが定着したそう。ネットの時代の新しいスタイルかもしれませんね。
 この他にもフランスでは、Kana社から『セイブ・ミー・ピシェ』という、ちょっと「ああっ、女神さま!」のような印象のマンガスタイルの作品が出ています。
コミケの共同代表と私たちはその後、アングレーム国際バンドデシネ・ミュージアムの中にあるヒューマン・アカデミーという、日本のマンガの描き方を教える学校(といっても、卒業後つぶしがきくように、アニメやゲームの作り方も一通り教える)を訪問し、数人の生徒さんたちの作品を見て一人一人にアドバイスする、というのをやったのですが、そのあとに訪問したトゥルーズのManga学校の存在といい、確実に「私もマンガを描きたい!」というフランス人は増えているようです。
 「トゥルーズManga」では授業風景も見学させていただきましたが、小さい子からプロを目指す大人まで、さまざまな人々が「MANGA」の描き方を学んでいました。ここで驚いたのは、フランス人でも右開きで描くことを基準に教えていたこと。校長のペリエさんはフランス人ですが、もう右開きに慣れているし、このほうが読みやすいし描きやすいのだそうです。
 ただ、日本人の中島千晴先生は、今は日本マンガの文法を吸収している最中だからそうなっているが、いずれ左開きになっていくのでは、ともおっしゃっていました。この「日本マンガの文法」という言葉は、Pika社のマンガ部門の編集責任者ヴァージニーさんからも出た言葉で、今ではフランスでも「日本マンガの文法」の理解度が進み、その文法コードを自分なりにアレンジすることも可能になっている、とおっしゃっていました。
 フランスにおけるマンガスタイルの成熟を示している言葉だと思います。

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