今回のAIDE新聞は、サンフランシスコで開催された「YAOI-con」特集です!
2001年9月、貿易センタービル崩壊の10日前に 開かれた第1回YAOI-con(ヤオイコン)にコミケ前代表の米沢氏が 招待されてから10年…… 編集部は10年前に様子を記録した縁で、 今年の第10回YAOI-conに招待されました。 その様子を一緒に行ってもらった藤本由香里さんに レポートしてもらいます。
藤本由香里 ふじもとゆかり 評論家・明治大学国際日本学部準教授 編集者として働くかたわら、コミックを中心に評論活動を行ってきた。講談社漫画賞等の選考委員も務める。著書に『私の居場所はどこにあるの?』(朝日文庫)など。
アメリカはサンフランシスコのYAOI-conに参加してきました。YAOI-conは文字通り、やおい・BLを中心に据えたファン・イベント。2001年に第1回が開催され、今年でちょうど10周年! YAOI-conとコミック・マーケットのかかわりは深く、初めての大会には米沢嘉博前代表も招かれ、「ComiketGuest Session」というパネルに参加して、同人誌やコスプレの話をしています。その後もYAOI-conの代表の一人であるスーザンさんは毎年コミケットを訪れ、交流が続いてきました。 第1回目は2日間で450人くらいだったというYAOIconの参加者は、年を追うごとに増え続け、現在ではNETで1500人、今年は10月29日から31日(ハロウィン!)までの3日間延べで3000人を越えたのではないか。 というと、少ないと感じる人もいると思いますが、肝心なのは、展示や即売会が中心の普通のコンベンションとは違って、YAOI-conは基本、合宿形式で行われるイベントだということ。しかも会場はなんと、空港近くのハイアット・リージェンシー! この巨大高級ホテルを完全貸し切りとは言わないまでも、ほとんどそれに近い状態で行われる3千人の合宿イベント、それがYAOI-conだというわけです。 だから上映会やダンスといったプログラムは夜中の3時くらいまであるし、全体の公式行事さえ夜中の12時近くまである。参加者のかなりの人はコスプレしていて、この高級ホテルは3日間、朝から晩まで、ロビーも廊下もレストランも、黒執事だのヘタリアだのNARUTOだの銀魂だのブリーチだのキングダムハーツだのハリポタだのといったキャラたちであふれているわけです。それがみんな同好の士!ホテルに到着してこの光景を見たとき、ほんとに、この世の天国か!? と思いましたよ。 しかも、イベントが始まったら、それ以上! 次々に予想を超える展開に!
第1回のパネルの様子
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