■好きな漫画は?
共信:いきなりですが、増田さんご自身の好きな漫画は?
増田:生涯で一番好きな漫画は『マカロニほうれん荘』です(笑い)。
共信:やっぱりね!(一同爆笑)。
増田:あと最近『ベルセルク』を読んだら結構面白くて。最近の人のなかでは、広江礼威さんの『ブラックラグーン』(小学館Sunday
GX Comics)は面白いと思いました。
共信:アニメはあまり観ませんか?
増田:「宮崎もの」が、個人的に好きじゃないんですよね(笑い)。
共信:この本の冒頭に「アメコミが日本で売れないのは経済障壁があるからだ」という電話がかかってきて、しょうがないから『マカロニほうれん荘』を例に挙げて日本漫画の面白さを説明したっていうエピソードが出てきましたが、それはいつごろの話ですか?
増田:90年代はじめくらいですね。91、2年くらいかな。
■株式アナリストと知的エリート
共信:株式アナリストの仕事って、基本的にどういう仕事なんですか?
増田:株式市場を調べて、会社の業績の格付けや、株価と比較しての売買のレポートを書くのが仕事です。
共信:それって、日本では知的エリートの仕事ですよね。
増田:いや、株式アナリストの仕事は、世界中どこでも知的エリートの仕事ですよ(笑い)。でも、そういう世の中は、膠着していると思います。日本のほうが進んだ社会だと思うようになったのは、やっぱりアメリカの大学院に通っていたころで、たとえば貧富格差とか、車社会で車を持てない人の悲惨さとか、そういう格差は桁違いですからね。しかも、表面的に差別が見える地域のほうが陽性の差別というか、まだましです。進歩的文化人が「この町には差別はないです」って言ってる地域のほうが、陰惨な気がしますけど。
共信:そういう認識は、自分が受けた教育に関係していると思いますか?
増田:ひとつ言えるのは、わりと「いい大学」といわれている学校に行けて、アメリカでも一流の大学の大学院に行ったりしてみると、知的エリートっていったって大したことはないというのが分かってくる。そういう大したことのない連中が、いつも危機と戦争と悲観論を煽り立てて、大衆の上に立とうと脅しをかけて、自分たちはいい生活をして、大衆は食っていけるぎりぎりに押しとどめている。そういう仕掛けがはっきり分かったってことでしょうね。
共信:やっぱり、外資系の会社でお仕事したりとか、そういう経験からお感じになっているんですね。
増田:いま、アメリカの大企業の社長の年収って、一般勤労者の年収の500倍なんていう人もいるんですよ(笑い)。たとえば、ゴールドマン・サックスという一流証券会社の会長から最近アメリカの財務長官に転職したハンク・ポールソンって人は、ゴールドマン・サックスの会長時代に稼いでいた年収が、給料分だけで3,000万ドル、約35億円ですから。
共信&助手:!?
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