特別寄稿:あさのまさひこ
「オタクの敵」村上隆が手がけたオタク展
なぜオタクたちはその存在を無視するのか?
-展覧会『リトルボーイ:爆発する日本のサブカルチャー・アート』-
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写真:ニューヨーク、ジャパン・ソサエティー・ギャラリーの壁面には、村上の新作ドローイングが一面に。(撮影:あさのまさひこ) |
「オタク」ということばや活字が、毎日のようにマスコミを賑わす今日この頃、まさに「オタクバブル」なのだ。何でもかんでも「オタク」が冠されてしまう状況に、違和感を覚えている人も少なくないだろう(というか、そもそもオタクに「実体」などあるるるのかい?)
。ともかくもオタクが「市場」と化してしまった今、飽和の果てに食い潰されるか、あるいは変質を迫られるか…。われわれの将来は、そんな風にしか描けないのだろうか?バブルはいつかはじけるのだから…。
そんなことを考えていたある日、雑誌で村上隆の「リトルボーイ展」の記事を目にした。昨年9月、ヴェネチアビエンナーレの会場で、すれ違っていた彼。「オタク」を現代美術の世界に持ち込んだといわれるその活動に、ふと興味が湧いてきた。オタクカルチャーが自ら生き抜くためのヒントがそこから得られるならば、一見の価値はあるだろうと。ところがオタクたちの間では、嫌われているというではないか。果たして、そのココロは…?
そこで今回は「直接取材貫徹」というAIDE新聞のポリシー(一応あるのだ)からは外れるが、村上氏を良く知る編集者のあさのまさひこ氏に、原稿を依頼することにしました。 |