取材を終えて… ヴェネチアに想う
共信マン的にヴェネチアをひとことで言うと「巨大なテーマパーク」だ。ディズニーシーやハウステンボスのご本家は、ここにあったのか!という感じである。大きく違うのは、夢の世界を演出しているのではなく、作り物ではない「現実社会」がしっかりと根を下ろしていることだ。観光客の横では、ヨーロッパの大富豪が大型クルーザーで乗り付けてバカンスを過ごしている。その一方で、町中ではスリや置き引きなど、社会のくらい部分を目の当たりにすることだってある。
ディスニーランドあたりが好きな人は、いろいろな意味で、いちど訪れてみることをお勧めする。観光地といえども、ヴェネチアは複雑な歴史と人間の生活が日々積み重なって、現在の姿に出来上がっているのだから…。
ビエンナーレ国際建築展 日本館に想う
さて、冒頭に掲げた3つの疑問。最も肝心な「おたくと国際建築展との関係」だが、現場取材を通じて、共信マンなりに見えてきた。また帰国後、森川氏の著書『趣都の誕生』や、『Model
Graphics』1月号に掲載された、あさのまさひこ氏によるレポート(10Pに及ぶ力作!)などを読み、現場では分からなかった、森川氏の意図、国際建築展という場の意味など、新たに気づいたことも多い。特に森川氏がMG誌で語った、おたくのありのままの姿を表したい、おたく文化を辺境からの献上品にしたくないという、主旨のことばには、共信マンも心から共感したい。
最後に、共信マンにとって考えることとは、動くこと、現場に行くこと、旅することなのだ。今後も旅をしながらさまざまな事象を拾い上げ、考えて行きたいと思う。ここまでお読みいただいたみなさんにも、それぞれ何かを感じてもらえれば、この旅の意味ももっと深まることだろう。
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