Taty(以下T): |
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新店舗オープン、おめでとうございます。 |
牛島店長(以下U): |
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ありがとうございます。前の所で開店して、ちょうど五年目なんです。前の店も、12月を目処に再開しますよ。 |
T: |
二つに分かれたということですね。 |
U: |
こっちは下北沢で、下店(しもみせ)。池ノ上の方は上店(うえみせ)。ビーマニ下、ビーマニ上ってこと(笑)。 |
T: |
ここは何坪ぐらいですか? |
U: |
5.4坪です。前の所も5坪あったんですよ。 |
T: |
でも、前に比べてかなり広く感じますね。 |
U: |
レイアウトの妙ですね。前の店は真ん中にラックがあったんですよ。あのラックのせいで、圧迫感があったんでしょうね。あそこは一般の古マンガ専門店となります。一般といっても、もう10年以上前のモノですね。 |
T: |
新店舗には、どんな商品があるんですか? |
U: |
基本的に、日本の古い変なモノ、いわゆるサブカルチャーですね。当時の非主流のモノ。アメリカのメンズ雑誌にしても、『プレイボーイ』みたいにメジャーじゃないもの。 |
T: |
簡単に言っちゃうと、「アヤシイモノ」ですか? |
U: |
そうですね(笑)。でも、B級品というのは、必ずしも二流品という意味ではないんですよ。モノが一流でも、主流にならないと、B級品となるんですよ。二流ではなく、非主流という意味なんです。 |

▲B-maniが誇る、レア本の在庫あれこれ
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T: |
非主流? |
U: |
強いて言えば、超二流という意味なんですよ(笑)。 |
T: |
なるほど。ほとんどの本はビニールに包まれてますね。 |
U: |
言っていただければ、お開けしますよ。 |
T: |
いつぐらいの年代モノからあるんですか? |
U: |
古い本は明治時代からありますね。あ、もっと古いモノは江戸時代もありましたね。 |
T: |
古書で有名な神保町も顔負けのモノも、探せば出てくるかもしれませんね。 |
U: |
ありますよ。私や社長(コミケ代表の米澤氏のことをこう呼んでいる)の個人趣味のモノもありますからね(笑)。 |
T: |
戦前の発禁本とかもありますしね。 |
U: |
困るのは、売れてしまうとその品物がなくなることですね(笑)。なかなか入ってきませんからね。悲しいです。売れたらどうしようかって思っているんですよ(笑)。 |
T: |
超一点モノですからね。 |
U: |
そうですね。 |
T: |
どういうところから、仕入れるのですか? |
U: |
まず、私や社長の持っているモノですね。それからアメリカへよく買いに行きますね。アメリカの西部・中部・東部から、アヤシイお店を探し出して、行ってくるんですよ。それもガイドから選ぶんじゃなくて、現地のマニアに聞くんですよ。雑誌に載らないようなお店をね。 |

▲ひたすら『アヤシイモノ』だらけ…
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T: |
やはりマニア同士のネットワークがあるのですか? |
U: |
いえ。七年前に『アニメアメリカ』というイベントに行きまして、その時に、アメリカ中の友達をずいぶん作ったんですよ。その時に「今度、本当に行くからね」って言って、本当に行ったんですよ。 |
T: |
本当に来るとは思わなかったんじゃないですか(笑)? |
U: |
いやいや(笑)。向こうの人は「来い」って言うと、本当に来て欲しいみたいですね。なにしろ、家が広いの(笑)。で、こっちのモノを持って行って、交換したりしてね。いろんなお店を案内してもらって、買ってくるんですよ。もらったモノは、売らないけどね。そういうふうにして、どんどん趣味のモノを増やしていますね。 |
T: |
とにかくジャンルが広すぎて、戸惑いますね。 |
U: |
一般的に”カルト”とか、”モンド”とか言うんですけども、いわゆる奇習などの変わった本が多いですね。 |
T: |
”モンド”や”カルト”って何のことですか? |
U: |
”モンド”は、アヤシイ習慣とか、言葉は悪いですが土俗的というか、本当の意味は”ワールド”ですが。”カルト”って、本当は宗教ですね。ちょっと狂信的という意味もありますね。 |
T: |
なるほど。 |
U: |
変わっている、でも、面白いという本が多いですね。珍しいモノが好きだという方ならば、面白いと思いますよ。専門店よりは安くしていますからね。 |
T: |
よく探せば、掘り出しモノがあるんですね。 |
U: |
一番問題なのは、売れてしまうと私が悔しいことです(笑)。 |
T: |
それほど貴重なモノを店頭に並べているんですね(笑)。 |
U: |
あと、コスプレに関しても、いろいろ聞いてもらえればお答えしますよ。(レジの横にある軍服を指差して)少し趣味的に、ミリタリーモノとかも置いています。 |
T: |
どんな人が購入されるのですか? |
U: |
バンドの人とか、役者の人とかが多いですね。あと、バンドのファンの人。 |
T: |
下北沢には、バンドや役者の方が多いですからね。 |
U: |
あと、本なら多いのは、ヘンシュウシャとか。 |
T: |
変質者? |
U: |
編集者!(双方大笑い) |
T: |
すみません。ところで、牛島さんは、コミケではコスプレの責任者(正確には更衣室の責任者)ですよね。コミケ代表の米澤さんとは、どういうことから知り合われたのですか? |
U: |
ずばり、コミケットですね。20年くらい前かな? 私がコミケのスタッフとなりましてね。それからです。最近では、米澤さんといっしょになって、本も出しています。 |
T: |
じっくり見ていくと、一日くらいじゃとても終わらないですね。変わったモノや、面白いモノが、たくさんありますからね。 |
U: |
クリエイターの人ならば、この中からインスピレーションが沸き起こるモノが、いっぱいあると思います。アメリカの、特に60年代のアングラコミックなんかは今見ても斬新ですし、色合いとかもとても綺麗ですね。日本の古い、昭和20年代の絵なんかも綺麗ですしね。モダンです。そういうモノから、何かのインスピレーションを起こして、何かしらに活かして欲しいですね。 |
T: |
『B-Maniacs』という店の名前通り、マニアにはたまらないモノばかりなんですね。 |
U: |
マニアと言わず、来て欲しいですね。下北沢の駅から近いので、買い物のついでに寄っていただければと思います。店の前にベンチもありますからね。
売れてしまうと牛島店長が困ってしまう不思議なお店『B-Maniacs』。あなたもこのお店の不思議なモノを買って、店長を困らせてみませんか?
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▲この路地の奥がB-Maniacs。
分かりにくいので気をつけよう。
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