■コミティア代表 中村公彦氏インタビュー 前ページより続き
〜コミティアの顔 ティアズマガジンを作り続けて〜
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A:今度はパンフレットの『ティアズマガジン』についてお聞きしたいのですが、まず編集部のスタッフ数と構成を教えてください。 |
中:中心スタッフは5名前後ですが、さまざまに関わる人間は15人前後です。 |
A:ティアズマガジンの発行部数はどのくらいですか? |
中:約5000部くらい。推移は参加サークル数にほぼ比例していると思います。一回目は
100サークルだったので、200冊くらいだったかな? |
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左は今回から始まったという委託コーナー |
●一冊一冊手にとってじっくり眺められる見本誌コーナー |
A:一号当たりの編集期間はどのくらいとっていますか? |
中:コミティア自体が年4回、ほぼ3カ月おきなのでその期間が編集期間といってよいと思います。まず、コミティア終了1〜2週間後に見本誌読書会を池袋の東京芸術劇場で開催します。大体一日で100人くらいのお客さんが来てくれて、そこで読んで面白かった本のアンケートを集めます。一方、ティアズマガジンに挟み込みの料金受取人払いのアンケート葉書で同じく面白かった本の投票をしてもらい、それらのデータを参考にして、紹介する本を決定します。その後、巻頭で紹介する人のインタビューをしたり、平行してその都度の特集記事などを作り、
DTP でページを組んで完成。同時進行でPRカットの貼り込みも行います。〆切はコミティアの3週間前、書店や通販での発売が2週間前です。その2週間がオフと言えばオフですね。 |
●毎号の表紙イラストも楽しみなティアズマガジン。50回記念特集号の表紙は、第一回から皆勤賞参加という、山川直人さんが手がけた。 |
A:ティアズマガジンの編集方針、あるいは理念とは? |
中:面白い本を紹介すること。それにつきます。オリジナルONLYの場合、まず第一印象では手を出しずらいので、そうした一般参加者のガイドの役割を果たしたいと思っています。また、参加する描き手にとってもそうした面白い本や描き手と出会うことが刺激になってもらえたらと考えています。ある意味で「即売会」というシステムが普及したことで廃れてしまった「漫研」という精神をゆるやかな形で受け継いでいるといっても良いかも知れません。 |
A:編集していて思うこと、感じることはどんなことですか? |
中:15年の間にいわゆる「同人誌」の幅がとてつもなく広がったなぁ、ということ。CG
やグッズなども含めた表現形式、メジャー/マイナーを問わない作品のジャンル、プロや同人プロまでひっくるめた作家の意識、レジャーランド化した即売会の在り方…。でもコミティアは描くことの原点の歓びを大切にしていたいと思います。 |
A:編集発行を続けてこられた中での、思い出に残るエピソードなど、ありましたら教えてください。 |
中:いろいろありすぎて難しいのですが、葉書アンケートを始めた頃、投票で『ティアズマガジン』が一位になってしまったことがありました。頑張っているのが評価されるのは嬉しかったけれど、本末転倒だなあと思いました。 |