Q: |
同人誌のジャンル的には、どの分野が多いですか?オリジナル作品集、パロディ系、その他のファンジン系、とわけた場合…。 |
パ: |
96年初めくらいまでは、オリジナル作品がほとんどでした。しかし、アニメやゲームのファンが増えてくるにつれ、パロディ物の比率が上がり始めました。特に「FINAL
FANTASY」などのゲームキャラクターは人気が高いです。また日本のロックグループ、X-JAPANやGLAY、LUNA
SEAなどのファンも目立つようになり、メンバーのイラストや活動情報などを載せた会誌を作るサークルも出て来ています。今では、オリジナルは60〜70%、パロディ物が15〜20%、音楽などのFC系が15%くらいの比率になっているはずです。もっとも、オリジナルとは言っても、日本漫画の影響が徐々に強くなって来て、独創的なキャラクターや作品は少ないのが現状ですが。例えば少女漫画で言うと、90年代前半の同人界では田村由美が非常に人気があって、当時の同人作品に大きく影響を与えていますね。 |
Q: |
同人誌の作り手、読み手はそれぞれどう言った層、またタイプの人が多いですか? |
パ: |
私が把握している範囲は93年から97年いっぱいくらいの状況ですが、主な活動層は20代前半で無職(笑)。普段は作品を描いて、お金がなくなったらバイトする、のくり返しです。男女別では女性が圧倒的に多くて、同人全体の80〜90%程度になります。韓国の男性は、20代になったら兵役もあるので、まとまった同人活動は難しいんです。しかも男性はちゃんとした職業に就いて、早く結婚して世帯を持つことを、社会からもすごく求められるので、いつまでもぶらぶらしていられない。家族にも反対されるし、それを押し切って漫画の道に進んだら、早くデビューしないといけない、だから諦めてしまう人も沢山います。その点、女性は就職や結婚で社会的な地位を固めることを、男性ほどには求められないので、男性より同人活動がやりやすいんです。それに、個人的には、女性の方がサークル運営のような活動は上手ではないかと思います。会計など運営上の細かい管理や、会誌発行のスケジュール立てに編集、いろいろな作業の分担…、そういう組織的な動きは女性の方がうまいですよ(笑)。結婚してからも同人を続ける人も、まだごくまれですが、いることはいます。しかし結婚生活はとかく忙しいですから、作品制作を続けるのはきついでしょうね。日本では夫婦で同人をやっている人もいるみたいですが、韓国ではまだ会ったことがありません。一方読み手の層は、学生、特に高校生が多いです。漫画を描く方法も知らなければ、サークル活動についても良く知らないので、まずはイベントに来ていろいろな情報に触れようとするみたいです、今ではその中から、実際に同人活動を始める高校生も急増しています。自分たちだけでイベントにも参加するし、やおいも描くし(苦笑)。最近展示会を見に来る人間は、同人活動関係者以外は殆ど高校生です。まだ親からお小遣いが貰える歳だから、みんなお金はそこそこ持っていて、展示会でも本を買いまくってますね。 |
Q: |
イベントでは、やはり会誌を販売することが多いんですか? 会誌以外にグッズなどもありますか? |
パ: |
95年くらいまでは、販売物の大部分が会誌でしたが、時には、会誌が間に合わない、あるいは作れない時に便せんなどキャラクター文具を作って参加するサークルも見かけました。現在は大体80〜85%が会誌、20%弱はキャラクターグッズという比率です。最近では、本が間に合わない時に、原画や原稿を展示してその場で予約を取る、というスタイルも登場しました。 |
Q: |
同人誌の流通方法にはどんなものがありますか? |
パ: |
韓国では、ACAのようなサークルの連合体に加入して、そこ主催の展示会[*4]に参加して販売するのが一般的 ですね。次に通信販売です。雑誌の同人サークル宣伝コーナーに広告をだして直接販売したり、最近では同人誌の委託販売会社もできたみたいです。
*4:韓国では、ACAのような同人サークル連合が主催するイベントでは、会誌販売だけでなく、所属サークルごとの作品(原稿イラストなど)の展覧会も併設することが多い。だから即売会ではなく、展示会と呼ぶのが一般的である。
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